映画の文法
クロースアップ、切り返し、二つの場所を交互に見せる並行編集——映画が「舞台の記録」をやめて、自分の言葉を持った時期です。ここで発明された文法を、いまのすべての映像が使っています。その発明のいちばん早い実例を一本、まるごと置きました。1909年の『小麦の買い占め』は14分の短編で、小麦を買い占めて価格を吊り上げる相場師の宴会と、パンが買えなくなった人々の行列とを、交互に切り替えて見せます。二つの場所を並べるだけで、そこに「だから」という意味が生まれる——編集が語りはじめた瞬間です。ソ連のモンタージュ理論はこの十数年後に、この発見を理屈にしました。監督のD・W・グリフィスは、この文法を組み立てた人であると同時に、1915年の『國民の創生』で人種差別的な描写を大々的に広めた人でもあります。この地図は、その両方を書きます。技術の発明が、そのまま倫理の免罪符になることはありません。